愛媛県議会 2005-03-09
平成17年第292回定例会(第6号 3月 9日)
平成17年第292回定例会(第6号 3月 9日) 第292回
愛媛県議会定例会会議録 第6号
平成17年3月9日(水曜日)
〇出席議員 48名
1番 楠 橋 康 弘
2番 豊 島 美 知
3番 大 沢 五 夫
4番 豊 田 康 志
5番 笹 岡 博 之
6番 鈴 木 俊 広
7番 徳 永 繁 樹
8番 高 山 康 人
9番 泉 圭 一
10番 住 田 省 三
11番 菅 良 二
13番 今 井 久 代
14番 佐々木 泉
15番 渡 部 浩
16番 白 石 徹
17番 戒 能 潤之介
18番 赤 松 泰 伸
19番 本 宮 勇
20番 黒 川 洋 介
21番 欠 番
22番 欠 番
23番 井 上 和 久
24番 栗 林 新 吾
25番 村 上 要
26番 高 橋 克 麿
27番 明 比 昭 治
28番 河 野 忠 康
29番 猪 野 武 典
30番 田 中 多佳子
31番 竹 田 祥 一
32番 岡 田 志 朗
33番 森 高 康 行
34番 成 見 憲 治
35番 欠 番
36番 笹 田 徳三郎
37番 藤 田 光 男
38番 仲 田 中 一
39番 清 家 俊 蔵
40番 寺 井 修
41番 帽 子 敏 信
42番 薬師寺 信 義
43番 西 原 進 平
44番 横 田 弘 之
45番 土 居 一 豊
46番 欠 番
47番 欠 番
48番 高 門 清 彦
49番 山 本 敏 孝
50番 篠 原 実
52番 中 畑 保 一
53番 柳 澤 正 三
54番 玉 井 実 雄
55番 池 田 忠 幸
――――――――――
〇欠席議員 2名
12番 阿 部 悦 子
51番 谷 本 永 年
――――――――――
〇欠 員 なし
――――――――――
〇
出席理事者
知事 加 戸 守 行
副知事 吉野内 直 光
出納長 永 野 英 詞
公営企業管理者 和 氣 政 次
総務部長 金 谷 裕 弘
企画情報部長 夏 井 幹 夫
県民環境部長 石 川 勝 行
保健福祉部長 藤 岡 澄
経済労働部長 高 浜 壮一郎
農林水産部長 喜 安 晃
土木部長 大 内 忠 臣
教育委員会委員 山 口 千 穂
教育委員会委員教育長 野 本 俊 二
人事委員会委員長 稲 瀬 道 和
公安委員会委員長 吉 村 典 子
警察本部長 粟 野 友 介
監査委員 壺 内 紘 光
――――――――――
〇
出席事務局職員
事務局長 山 岡 昌 徳
事務局次長総務課長事務取扱 岩 崎 充 尋
参事議事調査課長 北 川 一 德
政務調査室長 篠 崎 泰 男
副
参事総務課長補佐 川 口 和 男
副
参事議事調査課長補佐 玉 井 省 三
――――――――――
〇本日の会議に付した事件
定第3号議案ないし定第80号議案
――――――――――――――――
午前10時 開議
○(
横田弘之副議長) ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の
会議録署名者に
岡田志朗議員、
栗林新吾議員を指名いたします。
――――――――――――――――
○(
横田弘之副議長) これから、定第3
号議案平成17年度愛媛県
一般会計予算ないし定第80号議案を一括議題とし、質疑を行います。
○(
泉圭一議員) 議長
○(
横田弘之副議長)
泉圭一議員
〔
泉圭一議員登壇〕
○(
泉圭一議員)(拍手)
自由民主党所属、泉圭一でございます。
当選以来3回目の質問になります。過去2回、北朝鮮による拉致問題について質問をさしていただきました。
小泉総理の2度の訪朝により、北朝鮮による拉致問題について世論の関心が大きく高まっている中、昨年11月に3回目の
実務者連絡協議会が行われました。そして、その場において、北朝鮮側から
拉致被害者である
横田めぐみさんの遺骨だと提出された骨は、日本の捜査機関の鑑定で全く別人の、しかも複数の人間の骨であることが判明いたしました。たび重なる北朝鮮の不誠実な対応に、国民の北朝鮮に対する怒りは激しさを増しております。
平成16年12月の我が
愛媛県議会定例会においても、即刻入港差し止め、
経済制裁を直ちに発動という表現を使い、国に対して北朝鮮への
経済制裁を求める意見書を採択いたしました。
折しも去る2月9日、
サッカー・ワールドカップアジア最終予選の初戦において、日本が北朝鮮に辛勝した翌日、北朝鮮は核兵器の保有を宣言し、また、6カ国協議の参加を無期限で中断すると発表いたしました。日本を含めた
アジア周辺諸国の平和と安全保障に対する許しがたい宣言であります。日本は、他の5カ国とも協議の上、
経済制裁発動に踏み切るべきであります。
経済制裁はそれ自体が目的ではありません。目的は拉致問題の解決であります。その
拉致問題解決のために何が有効かを考える必要があります。
経済制裁は紛れもなくその一つであります。日本政府が今後も対話だけで何もしなければ、これまでのように不誠実な対応を繰り返すばかりであります。圧力としての
経済制裁カードを使い、一日も早い生存者の帰国と真相究明を強く望むものであります。
加戸知事におかれましては、
拉致被害者や拉致された可能性の高い本県出身の大政由美さんらやその御家族、そして、救う会との連帯感を示す
ブルーバッチを1日も外すことなく着用していただいており、活動をともにする一員として大変励みになり、感謝申し上げる次第であります。今後とも、
加戸知事初め拉致議連を含む議員諸先輩におかれましても、力強い御支援を賜りますようお願いを申し上げ、質問に入らさしていただきます。
最初に、
国民保護法についてお伺いをいたします。
本年2005年は、
日露戦争日本海海戦から100年、また
太平洋戦争終戦から60年の節目の年に当たります。
21世紀に入った今日、冷戦終結後世界的な規模の武力紛争が発生する可能性は極めて低くなりましたが、このところの社会情勢を見ると、民族や宗教の違いによって起こる多種多様な地域紛争に加え、
弾道ミサイルや
国際テロ組織の存在は、以前にも増して我が国にとって重大な脅威となっております。
このような中、一昨年の
武力攻撃事態対処法など有事関連3法の成立に続き、昨年、
国民保護法を初めとする有事関連7法が成立したことで、我が国に対する
武力攻撃という国家の非常事態に備えた法体制が整備されました。特に
国民保護法では、
ミサイル攻撃など想定される
武力攻撃等において、国の方針のもとで、国全体として万全の措置を講じるとした上で、都道府県は、避難の指示、
避難住民等の救済、
武力攻撃災害の防除または拡大の防止を行い、市町村は、警報の伝達、避難住民の誘導、
武力攻撃災害に係る応急措置、消防を行うなど、国、
地方公共団体、
指定公共機関の責務や役割分担が明確に規定されております。
このように、国家主権を守る
危機管理体制の整備が確保されたことで、日本もようやく当たり前の国家となったと思うわけでありまして、今後、
武力攻撃や大
規模テロから国民の生命や財産を守るための具体的な対策が進むものと大いに期待をしております。
これまで県におかれましては、
危機管理室の設置のほか、先般は、有事や
自然災害以外の危機事案への応急対策を目的とした
危機管理計画を策定されるなど、危機への対応を着々と進められております。海岸線1,633
㎞、四国電力伊方原子力発電所を有する我が愛媛県の安全安心を最優先に、あらゆる危機に即応できる体制が早期に確立されることを強く願うものであります。
そこで、お伺いをいたします。
県では、今後、
国民保護法の
推進体制の整備にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、
指定管理者制度についてお伺いをいたします。
本県におきましては、4年連続の厳しい予算編成を強いられる中、平成17年度歳入対策として、知事公舎を含め大規模な県有財産の売却など、新たな
取り組みの強化を行わざるを得なくなってきております。また、歳出対策としても、
定員適正化計画に基づいて県職員の人員削減や
県有施設の
アウトソーシング化を行っていかなければなりません。
平成15年6月に
地方自治法の一部改正により
指定管理者制度が導入されました。本県におきましても、同12月議会において
指定管理者の
関係条例改正の議決を行い、昨年4月にオープンした
在宅介護研修センターは、同制度の適用第1号として、
NPO法人を同センターの
指定管理者としたところであります。平成15年度
包括外部監査の結果報告書においても、施設の管理費が大きくなる
県有施設は、経済性と効率性の観点から
コスト削減が期待できるため、
指定管理者制度を積極的に活用すべきとの意見が取りまとめられております。
私自身、
公共施設や第三
セクター事業は、民間では
取り組みにくい公共性の強い事業でもあり、雇用や地域への
経済波及効果に加え、計数では把握できない地域の
にぎわい創出や
知名度向上など効果があり、必ずしも、赤字だからすべてだめだとは思っておりません。
しかしながら、問題は、その赤字額が許容範囲内であるか否かであります。今の
公共施設は、最小のコストで最大の効果を生むような努力がなされているか、また、今まで以上に
経営改善努力と積極的な情報開示がなされているかが問われる時代になっております。公の施設の
民間事業者による管理を可能にする
指定管理者制度は、住民と行政による新しい
公共施設のあり方について再検討できる格好の材料でもあります。
制度導入により
民間事業者の発想や経営努力を活用し、利用時間の延長や料金の引き下げなど施設への県民のニーズを反映させた、より効果的かつ効率的な運営が期待できると考えられます。
指定管理者制度の導入期限は平成18年9月であるため、平成17年中には条件等を設定し公募の開始が必要と思われます。
そこで、お伺いをいたします。
包括外部監査によると、
監査対象法人で新制度の対象と考えられる施設と管理は16施設挙げられておりますが、現在、県では、
県有施設のうち、どの
程度指定管理者制度の導入を検討されているのか。また、
指定管理者制度導入による効果及び課題についてどのように把握されているのか、お聞かせください。
一方、施設の利用料やサービスについては、公の施設の利用料金は安価、低廉であることが必要であります。
指定管理者制度においては、業務の
具体的範囲、
管理基準等それぞれ条例で定めることになっているものの、
指定管理者は、利用料金もみずから決定し、みずから収入とすることもできるとなっております。企業経営において利潤の確保も想定される中で、職員の低賃金化やサービスの質の継続性、安全性の低下が懸念されます。
指定管理者になるためには、公共の福祉を増進させる適正かつ明確な目標を持つことが必要であります。
指定管理者の選考に当たり、効果的、効率的な施設の運営を実施するためには、評価基準として、利用状況、
サービス水準、経費削減など
管理目標を
施設ごとに設定し、この目標を実現するための
業務計画を
民間事業者に作成させ、そして、運営を開始してからは、毎年度その
管理目標をどれだけ達成したか数値で公表すれば、積極的な情報開示の一つにもなります。具体的な目標を示すことで、民間の創意工夫を盛り込んだ
業務計画を立てられることを期待するものであります。
そこで、お伺いをいたします。
県として、
施設ごとに
管理目標を定め、その達成状況を公表することにより、公正な管理、運営の充実を図る考えはないのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、
環境ビジネスに取り組む
資源循環優良事業者の
育成支援についてお尋ねいたします。
大量生産、大量消費、大量廃棄の
社会経済システムからの脱却を図り、限られた資源を有効に活用する
資源循環型社会の構築が求められております。このため、生産、流通、消費、廃棄等のあらゆる段階で廃棄物の削減やリサイクルなどを進めていくことは、
社会経済活動にも刺激を与え、その経済的な波及効果によって環境への
取り組みを持続的に拡大させ、これらの事業を行う
環境ビジネスの拡大、定着は環境の維持、保全にもつながる重要な役割を担っております。
また、
環境ビジネスは、
地域経済の活性化や雇用創出の面からも、今後の成長が期待されており、環境省では、
環境保全を考えた消費者の動向が、環境に配慮した機器、サービスの需要や市場を誘発する事業を将来広い範囲でとらえるとし、平成16年版環境白書の中で、2020年には、全国で市場規模が58兆円以上、雇用人口は123万人以上と推計しております。そして、その大きな役割を果たすのが、
経済活動の主要な部分を占める事業者の自主的かつ積極的な
取り組みです。
折しも去る2月4日には、愛媛県
資源循環優良事業者連絡協議会Re‐えひめが設立され、事業者みずからが課題解決に向け組織化し連携していくことは、経済と環境を両立させ、持続可能な社会形成の担い手として
環境ビジネスの振興を目指し、さらなる成長が期待できる
環境産業市場において新たなビジネスチャンスが生まれるものだと大変心強く思っております。
しかしながら、
環境ビジネスを振興し
循環型社会を形成していくためには、事業者だけでなく、行政、県民が一体となった
取り組みが必要であります。特に行政には、事業者の
取り組みが正当に評価され、これまでの
事業活動をフォローしていくとともに、一層の促進が図られるような新たな
枠組みづくりや支援策が求められております。
また、県では、
えひめ循環型社会推進計画の中で、
環境ビジネス支援制度の拡充を主要施策に位置づけており、愛媛発の
環境ビジネスが地場の企業によって幅広く創出され、その
事業活動を通して雇用の創出や
環境保全など
地域社会貢献の一翼を担うことが、
環境ビジネスの大切な意義であると思っております。
このような点を踏まえて、環境先進県えひめの構築と
地域経済発展のため御尽力をいただきたいと願っているところであります。
そこで、お伺いをいたします。
環境ビジネスに積極的に取り組む
資源循環優良事業者の
育成支援について、これまでの
取り組み状況と今後の展開についてどのように考えているのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、若年者の
職業的自立支援への
取り組みについて、お伺いをいたします。
若年者の雇用問題については、平成15年版
国民生活白書によると、
フリーターは年々増加し、平成13年には全国で何と417万人、四国の人口に匹敵する規模となっております。「
若年フリーターの現在」と題して、デフレ下で厳しさを増す若年者の
就職環境、急増する
フリーターなど、
若年者雇用の悪化の現状と要因、その課題について問題が提起されました。さらに昨年9月に公表された平成16年版の
労働経済白書では、若年非労働力のうち、就職もしない、学校にも行かない、職業訓練もしない、いわゆるニートと呼ばれる者が、新松山市の人口を上回る52万人と推計され、現在及び将来の日本経済にとって深刻な問題として、学校、産業界、行政など各界を巻き込み、在学中の
キャリア教育のあり方や若年者の雇用について幅広い議論が起こったのであります。
この間、県議会においても、若年者の
雇用対策、人材育成についてたびたび活発な議論が交わされ、県におかれましても、若年者の厳しい雇用情勢の改善に向けてさまざまな施策に積極的に取り組んでこられたところであります。
特に昨年7月に設置され、幾つかのパターンの
テレビコマーシャルやホームページでは
若年求職者が知りたい情報が充実している愛媛県
若年者就職支援センター、ジョブカフェ「
愛work」につきましては、
経済産業省により全国15カ所の
モデル地域の一つとして採択され、これまでの
雇用対策という観点にとどまらず、若い人材の育成という観点からも挑戦的な事業に取り組まれております。
また、同じく今年度から、
高等技術専門校においては、若者を対象とした職業訓練と企業内での実習訓練を組み合わせて、より実践的な技能を修得させ、常用雇用での就業を目指す
デュアルシステム訓練を実施されていると聞き及んでおりまして、企業が即戦力や専門性を有する人材を求めようとしている現在、若者の能力を向上させ、その就業を促進するこうした
愛work事業や
デュアルシステム訓練の成果に大いに期待するものであります。
私は、将来の我が国を担う若い人材を育成していくためには、まず、若年者を真に職業的に自立させることが必要であると思っております。
フリーターやニートと呼ばれる若年者がふえているということは、中長期に、本県産業の競争力や生産性を低下させ、所得格差の拡大や、ひいては少子化の一層の進行など社会的に大きな損失をもたらすことは確実であります。社会全体がその重要性を再認識し、真剣に取り組んでいかなければならないと思うのであります。
そこで、お伺いをいたします。
今年度から県で取り組まれている
愛workや
日本版デュアルシステム訓練のこれまでの成果をどのように評価しているのか、また、この成果を踏まえ、来年度以降、若年者の
雇用対策、人材育成にどう取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、水問題についてお伺いいたします。
現在、中国の例を挙げるまでもなく、産業の発展や都市化の進展、人口増加などもあって、世界的な水不足や水質、水源汚染が進んでおります。このため、
地球的規模での安心できる水環境の創造は、21世紀の重要なテーマの一つであると思うのであります。
目を県内に向ければ、近年は全体的には降水量が減少傾向にある上、さらに、少雨の年と多雨の年の降水量の開きが大きくなる傾向にあり、平成14年が長期間の取水制限が実施されるほどの渇水の年であったにもかかわらず、昨年は記録的な降水量を記録いたしました。今後、異常な渇水が起こる可能性も十分にあると心配しているところであります。
言うまでもなく日々の生活や
産業活動は、水が安定的に供給されることを前提として営まれており、渇水時に水供給が十分でないと深刻な影響が生じることとなります。戦後最大級の列島渇水と言われた平成6年渇水のような未曾有の渇水が発生した場合にも、日常生活や
産業活動を営むのに必要な水を確保することは我々の責務であります。御承知のようにこの水問題は、水資源に恵まれない本県が長年抱えてきた重要な課題であり、
吉野川水系銅山川からの宇摩地方への分水、面河ダムから
道前道後平野への分水、野村ダムを水源とする南予用水などその対策に努めてこられたところであり、先人の御努力には頭が下がります。
しかしながら、いまだ松山地域や島嶼部などにおいて水が不足しており、加えて最近の情勢では、
新規水源開発のためのダム建設がますます難しくなってきております。県民の方々の生活はもとより、
産業経済などあらゆる分野の活動を維持、発展させるためには、水資源の安定的な確保は何としても解決しなければならない問題であると思うのであります。このような状況の中、県でも、平成15年から、
水資源総合需給計画基礎調査を行っており、さらに、平成17年度から
水ビジョンの策定に取り組むこととしていると伺っております。
そこで、お伺いをいたします。
県が、策定される
水ビジョンの具体的な内容はどのようなものか、お伺いしたいのであります。
最後に、昨年の
台風災害の教訓を生かし、防災機能の高い
森林整備についてお伺いをいたします。
消防庁は、平成16年版消防白書において、集中豪雨や台風上陸が相次いだ昨年の風水害による死者、
行方不明者は230名に上り、上陸した台風数も10個と過去最多記録となり、まれに見る
自然災害の集中した年と指摘しております。
本県におきましても、特に台風については、台風10号から始まり23号までのうち6個もの台風が上陸し、人的被害だけでも死者、
行方不明者29名、負傷者55名という大きな被害が発生しております。このうち、
山地災害について見ると、時間雨量50ミリを超え、所によっては、過去の
観測史上例を見ない100ミリを超す未曾有の豪雨が数時間にわたって降り続いた結果、平年のおおむね6倍に当たる約134億円の
山地災害が発生したと聞いております。
今回の災害の特徴は、通常の災害である山腹崩壊に加え、渓岸侵食などにより土石流が発生し、特に東予地域においては、その土石流が立ち木を巻き込みながら流出した結果、多くの県民の人命、財産に多大な被害をもたらしました。
私の地元伊予市におきましても、台風23号の暴風雨により唐川地区で32カ所の山腹崩壊があり、地域住民は避難を余儀なくされるなど甚大な被害がありました。幸い人命にかかわる被害はありませんでしたが、軒並み崩落している林地を目の当たりにして、改めて
自然災害の恐ろしさを感じた次第であります。
愛媛県は、県土の7割を森林で覆われた森林県であります。森林は美しく豊かな国づくりの基礎であり、洪水や渇水を緩和し、雨水を地下に浸透させ浄化する
水源涵養機能や土砂流出や崩壊など防止する
災害防止機能、また、二酸化炭素を吸収し貯蔵する機能など、さまざまな
公益的機能を持っております。こういった
山地災害を防ぐ、水源をはぐくむ、
生活環境を保全し創出するなどの働きを十分に発揮するためにも、森林を生き生きと健全な状態に保つ必要があります。このようなことから、県におかれましては、平成13年を
森林そ生元年と位置づけ、これまで、流域全体で保水機能の高い水源林を整備する水源の
森林づくり推進モデル事業や放置された森林を整備する新たな
管理システムの創設など、森林が本来有する諸機能の回復を目指した多様な森づくりに取り組んでおられますことは、まことに心強く、大きな期待を寄せているところであります。
また、森林に対する
県民ニーズは、愛媛県政に関する世論調査によると、
水源涵養林の造成や山崩れや災害防止が6割以上を占めているほか、
森林環境税に関する
アンケート調査では、
森林環境税の使途について、回答者のうち
森林整備・保全を挙げた方が約9割を占めており、こういった
公益的機能に対する要請は強く、これらのニーズに的確にこたえていくことが重要だと考えております。
そこで、お伺いをいたします。
山地災害を未然に防止し県民が安全で安心できる暮らしが実現できるよう、適正な
森林整備、保全を図り、次の世代へ引き継ぐことが必要であると考えますが、昨年の
台風災害の教訓を生かし、県では、今後、防災機能の高い
森林整備にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○(
横田弘之副議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
横田弘之副議長)
加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 泉議員の質問に答弁させていただきます。
今後、
国民保護法の
推進体制の整備にどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。
泉議員御指摘のとおり、
国民保護法では、
武力攻撃や大
規模テロが発生した場合に、住民の避難、食料提供などの救援のほか、安否情報の収集、提供や
武力攻撃災害等の防除、軽減措置などを、国、県、市町が連携し、それぞれ役割を分担しながら実施しなければならないこととなっております。
このため県では、平成17年度中に、平時の備えや予防も含め、事態発生時の具体的な対応を定めた国民保護計画を策定することとし、本議会に同計画や国民保護に関する重要事項を審議する国民保護協議会のほか、
武力攻撃災害に総合的に対応するための国民保護対策本部に関する条例などを上程したところでございます。
また、国民の生命、身体及び財産を保護するための措置を実施するには、輸送、通信、医療などの公共機関の協力が不可欠でありますことから、今後、これら機関の協力を求めますとともに、県の広報誌やホームページ等を通じて、広く県民の理解や参加を得ながら、
国民保護法の
推進体制の整備に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、
愛workや
日本版デュアルシステム訓練のこれまでの成果をどのように評価しているのか。また、この成果を踏まえ、来年度以降、若年者の
雇用対策、人材育成にどう取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。
若年者就職支援センター愛workの利用者数は、昨年7月のオープンから2月末までで、延べ2万8,485人に上っており、1日平均約181名でありまして、就職者の数は503人に上っております。就職者数503人のうち、学生を除いた若者の数は394人で、初年度の目標としておりました150人を既に大幅に上回っておりまして、
愛workの就職支援が若年者の雇用促進に大きく寄与していると認識しております。
また、
愛workでは、就職支援だけでなく、起業、創業のノウハウの指導、ベンチャー企業での実践的なインターンシップの実施など、若者に対して起業家マインドを涵養し、将来起業家となり得る産業人材を育成する事業も実施しておりまして、本県経済を担う若年者が育つことを期待しているところでもございます。
一方、
日本版デュアルシステム訓練については、昨年10月から1年半にわたり、新居浜
高等技術専門校のメカニカルエンジニア科と松山
高等技術専門校の情報システム科で、それぞれ定員いっぱいの10人が、常用雇用での就職を目指して、現在、校内訓練と企業内訓練に取り組んでいるところでございます。
県としましては、若年者の
雇用対策と人材育成のためには、
愛work事業と
デュアルシステム訓練の定着と、さらなる充実を図ることが重要であると考えておりまして、引き続き関係機関と連携し、就職支援や人材育成など若年者自体への働きかけを一層強化いたしますほか、今後は、
愛work事業を通じて、企業経営にとって人材育成が重要であることや子供の自立にとって保護者の厳しさが必要であることを再認識させるなど、若者を取り巻く環境への働きかけを強化してまいりたいと考えております。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(吉野内直光副知事) 議長
○(
横田弘之副議長) 吉野内副知事
〔吉野内直光副知事登壇〕
○(吉野内直光副知事) 泉議員にお答えします。
私の方からは、昨年の
台風災害の教訓を生かし、今後、防災機能の高い
森林整備にどのように取り組むのかとのお尋ねに対してお答えをさしていただきます。
県におきましては、これまで、林業経営を通じて森林の維持、管理に努めてきたところでございますが、昨年の例を見ない
台風災害等に対応いたしますため、学識経験者等から成ります愛媛県土砂・流木災害対策委員会、これを設置しまして、いろいろ議論をいただいているところでございますが、その委員会における討論の中で、
山地災害を未然に防止するには、従来の治山事業にあわせて森林の適正な管理を推進することが重要であるとの指摘がなされております。このため、従来型の間伐に加えまして、根がよく張り、地盤をしっかり抑えるすぐれた樹木の育成や下層植生の導入など、土砂崩壊防止機能の高い健全な森林へ誘導いたします集落防災緊急
森林整備事業、この事業を新たに創設いたしまして、
山地災害危険地区のうち、人家に直接災害を与えるおそれのある危険度の高い未整備の森林を整備することとしております。
なお、この事業は、市町の地域防災計画に位置づけられ、森林所有者の協力のもと、地域一帯として
森林整備を実施することにしておりまして、おおむね3カ年で実施したいと考えております。
○(金谷裕弘総務部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 金谷総務部長
〔金谷裕弘総務部長登壇〕
○(金谷裕弘総務部長) 泉議員にお答えいたします。
指定管理者制度につきまして、2点のお尋ねでございます。
まず第1点目の、
指定管理者制度の導入を検討している
県有施設はどの程度あるのか。また、制度導入による効果及び課題はどうかというお尋ねでございます。
お話にございましたように、平成15年9月2日の
地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、地方自治体に
指定管理者制度が導入されたわけでございますが、これにつきましては、平成15年12月議会におきまして、愛媛県公の施設の設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例などの通則的な規定の整備を行い、制度導入の基盤を整えさせていただいたところでございまして、本議会におきましても、こどもの城など2施設につきまして、これにつきましての関係条例を上程させていただいているところでございます。
県有施設におきます
指定管理者制度の導入の検討状況につきましては、現在、今申し上げましたこの2施設を含めまして26の施設につきまして、平成18年4月から導入するということで検討をしているところでございます。
また、導入の効果及び課題についてでございますが、従来の管理委託制度におきましては、公の施設の管理委託先が公的団体に制約をされておりましたが、
指定管理者制度では、御案内のように
民間事業者も対象となるということから、民間ノウハウの活用によります住民サービスの向上あるいは民間の業務運営手法を活用いたしました迅速な業務処理など、そういった効果が期待されますが、一方で、制度導入のメリットを発揮できますような業務仕様の策定あるいは適切な施設管理を確保するための評価の方法などが課題であろうというふうに考えておるところでございます。
それから次に、
施設ごとに
管理目標を定め、その達成状況を公表することにより、公正な管理、運営の充実を図る考えはないかというお尋ねでございます。
御指摘ございましたように、
指定管理者による公の施設の管理に当たりましては、公の施設の管理を適正かつ確実に行う、これがまず第一でございますが、それとともに、やはり設置の目的を最も効果的かつ効率的に達成することができると、そういう団体を選定することが肝要でございます。
このため県におきましては、
指定管理者の候補の選定に当たりましては、原則として、まず公募方式で実施するということとしておりますが、その際、外部の有識者を含めた選定委員会を設け、評価の視点あるいは県が求めます管理の水準など、そういった必要な管理の目標を設定した上で公表し、それを踏まえまして、応募者が作成をしてまいります管理計画について審査を行うことにより、候補者を決定するということとしておるところでございます。
なお、施設の管理に関します詳細な事項につきましては、毎年度協定を締結し、管理計画の確実な実行を促しますとともに、事業報告を求めて内容の事実確認を行うということにしておりますが、公正な管理運営の充実という視点は重要と考えておりまして、先に申し上げましたように、課題でございます
指定管理者への評価方法、こういったことにつきましては、先行事例を参考に調査、研究を行いまして、
指定管理者の選定そしてまた運営に当たりまして、公の施設の適切な管理運営を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
○(石川勝行
県民環境部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 石川
県民環境部長
〔石川勝行
県民環境部長登壇〕
○(石川勝行
県民環境部長) 泉議員にお答えいたします。
環境ビジネスに取り組む
資源循環優良事業者の
育成支援について、これまでの
取り組み状況と今後の展開はどうかとのお尋ねでございます。
県では、
環境ビジネスを育成し
循環型社会の構築を目指すため、優良なリサイクル製品、廃棄物の再資源化等に積極的に取り組んでいる企業や店舗について、平成13年度から資源循環優良モデル認定制度を実施し、これまで60のリサイクル製品及び事業所を認定し、各種PR活動や公共事業への使用に努めてきたところであります。
しかしながら、
環境ビジネスは、一般的に初期投資が高く、コスト競争力が弱いことから民間のビジネスベースに乗せることが極めて厳しい状況にございます。
このため、平成17年度には、お話のあった愛媛県
資源循環優良事業者連絡協議会・Re-えひめとも連携し、
環境ビジネスに積極的に取り組んでいる事業者を対象に、ビジネス経営等に関するアドバイス、県、市町等の公共事業担当者との交流会、展示会の開催やユーザー企業との商談など、エコビジネス支援プログラムを実施し、ビジネスチャンスの拡大を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(大内忠臣土木部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 大内土木部長
〔大内忠臣土木部長登壇〕
○(大内忠臣土木部長) 泉議員にお答えいたします。
県が策定する
水ビジョンの具体的な内容はどうかとのお尋ねがございました。
水資源に恵まれない本県におきまして、限られた水資源を安定的に確保するためには、需要と供給の両面から、総合的、効率的な施策を講じる必要がございます。
このため、来年度策定しようとしております
水ビジョンは、安心して暮らせる地域づくりに資することができますように、愛媛県におけます水資源政策のあり方とその方向性を明らかにしようとするものでありまして、また、市町におけます水資源政策の指針ともなるような内容にしたいと考えております。
具体的に申し上げますと、まず、水の利用実態や生活経済圏を考慮しまして県内を6圏域程度に分けます。次に、各圏域ごとの用途別の水需給の動向を明らかにし問題点を抽出いたします。その上で、考えられます解決策を列挙しようとするものでございます。
現時点で想定されます対応策といたしましては、供給面におきましては、ダムや地下水など既存水源の広域的利活用の推進、海水淡水化施設の活用、
森林整備によります水源涵養が考えられます。また、需要面の施策といたしましては、節水型社会づくりの構築などが挙げられると考えております。
また、異常渇水時などにおけます危機管理方策、さらにはビジョン実現のための手法、例えば県、市町、県民、NPO、企業によります協働など、そういったことも盛り込んだ内容にしたいと考えております。
以上でございます。
○(
横田弘之副議長) 暫時休憩いたします。
午前10時44分 休憩
――――――――――――
午前10時59分 再開
○(
横田弘之副議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(渡部浩議員) 議長
○(
横田弘之副議長) 渡部浩議員
〔渡部浩議員登壇〕
○(渡部浩議員)(拍手)当初予算を審議する今議会で登壇の機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げまして、質問に入らさしていただきます。
まず初めに、税収の確保対策についてお伺いします。
この問題につきましては、平成14年の2月議会で、財政健全化の観点から徴収率の向上に積極的に取り組むべきとの質問をさしていただきましたが、その後、三位一体改革の推進による地方交付税の削減や長引く景気低迷など地方財政を取り巻く環境はますます厳しくなり、来年度は知事公舎の売却までも実施しなければならない状況に追い込まれております。
平成15年度決算では、県税の未収入額が56億6,569万円に上り未収の割合は4.6%になっております。これを平成14年度決算と比べると、未収入額で9億6,246万円の減、未収の割合は0.6ポイント改善しておりまして、税務当局の努力の結果であると評価しておりますが、本県財政もいよいよがけっ縁に追い込まれている中、選択と集中による歳出削減に加えて税収確保に向けた一層の努力も車の両輪として欠かせないと考えているのであります。
全国的にも慢性的な財源不足が進む中、税収確保がこれまで以上にクローズアップされ、東京都における差し押さえの動産インターネット
競売の導入や北海道における自動車税滞納者に対する積極的な給料差し押さえなど、さまざまな工夫を凝らしていると聞いております。
こうした中、本県におきましては、来年度予算で愛媛スタンダード枠を活用され、特別徴収対策と愛媛地方税整理回収機構の設立準備に取り組まれることにされたことは、まことに時宜にかなったものであり、今後、着実に成果が上がることを期待しております。これから事業の具体化に当たっては、税の公平性を確保する観点から、特に悪質な滞納者には徹底した処分をお願いしたいのでありますが、こうした滞納処分の担当職員には、隠匿資産の調査、徴収に関する高い専門性が求められたり身体への危険を感じる場面も予想されることから、公認会計士や弁護士など民間専門家や税務署、警察のOBなど、外部の人材の活用も視野に入れて取り組む必要もあるのではないかと思うのであります。
今回の税収確保対策や景気対策などが功を奏し、慢性化しつつある本県の財源不足が一日も早く解消され、複雑多様化する福祉や教育の充実を初め、必要な道路や港湾などのインフラ整備に取り組める体力を本県が取り戻していただくことを強く願っております。
そこで、お伺いいたします。
県におかれては、外部の人材活用の可能性も含め、今後、具体的にどのような税収確保対策を講じていかれるのか、お尋ねしたいのであります。
また、関連して、自動車税の徴収対策についてお伺いいたします。
県民にとりましては身近な自動車税は、納税義務者が多く、中にはうっかり納付期限を忘れている方や仕事などの都合で平日納めに行く時間のない方あるいは車検時にまとめて払えばよいといった誤った考えの方もおり、滞納件数の増加が問題になっております。
全国の状況を見ますと、平成14年度課税分で、自動車税の滞納繰越件数が約99万件と税目の中で最も多く、滞納額も約355億円となっております。また、本県でも滞納繰越件数が約1万7,000件、滞納額が6億1,000万円に上り、徴収活動の多くが自動車税に充てられていると伺っておりまして、自動車税の徴収対策は重要な課題であると思うのであります。
県では、昨年初めて自動車税納期内納付キャンペーンを実施し、特に出張収納窓口では、5月29日、30日の土日の2日間で約1,000人の利用があり、平日銀行などに払い込みに行く時間がないので非常に便利と好評であったと聞いております。
そこで、お伺いいたします。
自動車税の支払いをコンビニなどでできないか。また、徴収活動の効率化のため、重量税や自賠責保険と同じように自動車税も新車購入時や車検時に納付できるよう制度を改正することはできないのか、お伺いいたします。
次に、保育対策についてお伺いします。
保育所への入所児童数は、厚生労働省の調査によりますと、平成15年の全国の保育所入所児童数が約204万8,000人で、平成7年の約167万9,000人に比べると約2割増加しており、ここ10年は上昇傾向にあるのが実態であります。本県におきましても、平成16年が約2万4,000人で、平成7年の約2万2,000人に対し、全国ほどではないものの約1割の伸びを示しており、保育所への入所児童数は増加しているのであります。
また、一方では、多様なニーズに対応するため、保育サービスのメニューとしても通常の保育に加え延長保育、休日保育、一時保育などの特別保育が実施されているところであります。このように保育所への入所やサービスの種類の多様化は進んでいるものの、私が気になっておりますのは、保育所の開所日の大半が、今なお月曜から土曜の平日に限られており、パートタイムなど働き方が多様化している現在、利用する人たちのニーズに本当にこたえられているのかということであります。最近では、小売業や娯楽施設などのサービス業は年中無休で営業しております。子育て中の家庭においてもサービス業に従事されている方々も数多くいらっしゃるのでしょうし、また、一般企業に勤めている方でも、やむを得ず休日出勤されている場合もあろうかと思います。
さらにもう一つは、子供が病気のときの保育であります。子供が急に熱を出して保育所には預けられない。かといって大事な仕事を手がけていて休みづらいといった経験は、子供を持つ親御さんのだれもが経験されているのではないでしょうか。多くの場合、休日勤務や子供が病気のときには、両親や親類縁者を頼られていることと思いますが、核家族化が進む中、近くに頼める人がいない方々にとっては、急ぎの仕事があるのに無理を言って休まざるを得ないなど、大変に切実な問題となっていると聞いております。このようなときに、保育所が休日に開所し、病気のときにも保育を実施してくれるならば子育て家庭の皆様も安心して仕事に打ち込むことができるでありましょう。また、働く女性にとっても職業の選択肢が広がっていくのではないかと考えております。
もちろん休日くらいは仕事を休んで家族サービスをできるような、また、子供が病気のときぐらいは支障なく仕事を休めるような機運の醸成やシステムづくりをあわせて進めていかなければならないのは言うまでもありませんが、どうしても休めない状況に直面したとき、いつでも、そして、子供が病気のときであっても気軽に預けられるような保育システムをつくっていくことが何よりも必要であると思うのであります。
私の地元、西条市においては、休日にも利用できる地域子育て支援センター事業や医療機関による病児、病後児保育事業を行うなどの
取り組みを進めておりますが、県としてもこうした
取り組みを積極的に支援する必要があると思うのであります。
そこで、お尋ねいたします。
休日保育や子供が病気のときの保育など、多様な保育需要にどのように対応していくのか、お聞かせください。
次に、治水対策協働モデル事業についてお伺いします。
昨年は本県に6個の台風が襲来し、県民のとうとい人命や汗水たらし築き上げてきた財産を瞬時に奪ってしまうなど、県内に大きな被害をもたらしました。まさに災いの年でありました。この6個の台風などにより、西条市、新居浜市など県下全域において床上浸水を含む大規模な浸水被害が発生し、河川や道路などの公共土木施設にも甚大な被害が生じており、そのつめ跡は今も至るところに残っております。特に東予東部の平野部では、8月から10月までの約3カ月の間に平均年間降雨量約1,300ミリを超え、黒瀬ダムでは時間雨量150ミリを記録するなど、猛烈な豪雨により河川上流域各所で大規模な土砂災害が発生したところであり、例年を上回る土砂が河川に堆積したままになっているところがあります。
もちろん国や県では、こうした状況に対応するため、土砂堆積度合いの激しい箇所については、緊急的な土砂掘削を実施され安全の確保に努められておりますが、私の地元であります中山川や大明神川など、その他の河川についても河床が例年に比べて上がっている箇所が残っているように見受けられます。ことし、もし昨年と同様な豪雨が発生すれば、浸水被害が発生するのではないかと、特に東予地区の住民は懸念しているところであります。
こうした中、県においては、このたびの当初予算案に新規事業として、民間企業と県が連携することにより土砂の早期撤去と有効利用を図ろうとする治水対策協働モデル事業を計上されたと伺い、大いに注目しているところであります。民間による河川敷内の砂利採取は、河床を深く掘り過ぎて堤防に影響を与えたり河川内の生態系を破壊するおそれがあることから、昭和47年度以降は原則禁止とされていると聞いておりますが、かつては河川内の砂利をコンクリート骨材として利用していた時代もあったことや平成18年度から海砂利の採取が禁止されることを思い起こすと、今回、河川に堆積した砂利を何とか活用できないものかと考えていたところであります。財政状況が厳しく土木予算も年々減少する中、河床掘削と土砂の有効利用、そして限りある予算の効率的運用をねらったこの施策は一石三鳥であり、まことに時宜を得たものと考えております。
そこで、お伺いします。
治水対策協働モデル事業の具体的な内容はどのようなものか。また、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いしたいのであります。
最後に、経済問題について2点お伺いいたします。
最初は、新たな産業創出についてであります。
平成2年のバブル経済崩壊後、はや15年を経過しました。この間、日本経済は、情報化や国際化の急速な進展により一体化を一層強める世界経済の変化の中で、大胆なリストラの断行や新しいビジネスモデルの構築などの模索を重ねながら、近年の中国特需の追い風も受けて、最近になって全国的にようやく景気が安定してきております。特に、失業率が平成16年は平均で4年ぶりに4%台に回復したほか、今年度の大学生や高校生の就職内定率も回復の兆しを見せてきており、ほっと一安心しているところであります。
しかしながら、愛媛県においては、松下寿電子工業の一本松工場の閉鎖に象徴されるように、地域間の格差が顕著になってきており、まだまだ楽観できる景気状況とは言えないのであります。
こうした中、
経済産業省におきましては、昨年5月に新産業創造戦略を発表され、我が国、産業、経済の今後の進むべき方策を示しました。その中で、今後の産業戦略として「強い競争力を活かし世界で勝ち抜く先進産業群」「社会の変化に対応した市場ニーズに応える産業群」「地域再生を担う産業群」の育成が大きな課題であるとうたわれております。特に、地域再生を担う産業群では、人材とこれまでに蓄積された技術力を基盤に産学官や企業間でさまざまなネットワークを構築し、新たな産業の創出にも取り組んでいくことが課題であるとされております。
本県は、製紙や紙加工を初め、電気や造船、化学など地域ごとに多様な産業を有しており、まさに
経済産業省が目指す、こうした
取り組みを行うことができる多様な人材と技術力に恵まれていると思うのであります。
さきに触れました松下寿電子工業の今回のリストラによる900人近い早期退職希望があったと聞いており、離職される方々の御苦労を思うと胸が詰まりますが、見方を変えれば、これらの方々の中には高い技術力や技能を有する人材も多く含まれていると思いますし、今後、こうした方々が本県の新たな産業創出の担い手にもなってくれることを願ってやみません。
ただ、いかに新事業に取り組む意欲の高い人でも、一人ではなかなか事をなし得ないのが現実であり、行政を初め、産業界や大学など地域が一体となって支えていくことも必要であると思うのであります。また、本県のように市場規模が小さく、大都市圏に販路を求めざるを得ない地方では、こうした面でも地域が連携した積極的な支援が欠かせないと考えているのであります。幸い県におかれましては、早くからこうした点を重視され、産学官の連携促進やベンチャー企業への支援、地域の技術力を生かした研究開発の促進などに積極的に取り組んでいただいており、まことに心強く感じているところであります。
そこで、お伺いいたします。
本県固有の人材や技術力など地域資源を生かした新たな産業創出に今後どのように取り組んでいかれるのか、これまでの施策の評価とあわせてお伺いいたします。
次に、県内製品の販路開拓についてお伺いいたします。
「愛媛産には、愛がある。」私の好きなフレーズであります。農林水産物のキャッチフレーズではありますが、農林水産物と同様に愛媛の優秀な、そして、まじめな企業が生産した工業製品やサービスにも愛情と情熱が込められていると思うのであります。
本県においては、経済インフラの整備が大分進んできていることに加え、情報通信技術の発達に伴い、東京や大阪などの大都市で事業を展開する優位性は従前に比べて小さくなってきております。むしろ物価や地価、人件費などの面では大都市よりも有利な点もあります。さらに、県内の地場産業には、基盤的な技術や伝統的な技術が多様に集積しているほか、愛媛大学を初めとする高等教育機関に恵まれ、すぐれたシーズや優秀な人材を確保できやすいなど、ベンチャー企業が大きく飛躍できる条件が整っております。
このような中、県におかれては、アクティブベンチャー支援事業を初め、研究開発から販路開拓に至るさまざまな支援施策などを積極的に展開され、徐々に成果も上がってきていると認識いたしております。
しかしながら、ベンチャー企業の中には、既にすぐれた技術や製品、サービスなどを開発しておりながら、営業力やマーケティング力が非力なため思うように実績が上がらず苦慮している企業が多数あります。また、昨年11月には
地方自治法施行令が改正され、地方自治体がベンチャー企業からの新商品購入などに当たって、入札を行わず随意契約で発注できることとなりました。私は、この機会に、ぜひ県や市町などの行政機関が、ベンチャー企業を初めとして、県内企業が開発、生産した製品やサービスを率先して購入することにより受注実績をつくり販路の開拓を支援するとともに、各般の中小企業支援策との有機的連携により県内企業の育成に努めていただきたいと思うのであります。特に、市町村合併により行財政基盤が強化されますので、市町にとっては、産業振興という観点からの積極的な
取り組みを進めやすくなるとともに、ベンチャー企業にとっても取引規模が拡大し、メリットも大きいと期待するところであります。みずからが額に汗し、英知を結集してつくり上げたものには、すべて愛情が込められております。私は、ぜひ県御当局の力により、製造業やサービス業の分野においても県内に地産地消運動のうねりを巻き起こしていただきたいと願うものであります。
そこで、お伺いいたします。
ベンチャー企業などが開発した新製品などの販路開拓に当たっては、官公庁における優先受注など行政による支援が重要であると考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。
質問を終わるに当たりまして、東予港港湾計画の改定に関しましてお礼を申し上げます。
昨年11月1日に誕生しました新西条市は、製造品出荷額が平成15年で5,846億円に上り、県内でトップの出荷額を誇っておりますが、東予港はこの地域の物流の重要拠点となっております。こうした中、本年1月に県の地方港湾審議会で東予港港湾計画が認証されたことは、地域の産業界にとりましてまことにうれしいニュースであり、この場をおかりしまして、知事初め理事者の方々に対し、心から厚く感謝を申し上げます。
今後は、国の承認を受け、一日も早く工事に着工できることを強く期待いたして、私の質問を終わらせていただきます。
どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(
横田弘之副議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
横田弘之副議長)
加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 経世の会を代表する渡部議員の一般質問に答弁させていただきます。
休日保育や子供が病気のときの保育など多様な保育需要にどのように対応していくのかとのお尋ねでございました。
近年、家族のあり方やパートタイム勤務など働き方がより多様化してまいります中でさまざまな保育ニーズが生じており、これら利用者のニーズにこたえることが重要な課題となっております。
このため、延長保育や一時保育などに加え、お話の休日や子供が病気のときの保育サービスを実施することを条件として、平成17年度からモデル的に市町を指定し、行政、保育関係者で構成する総合連絡調整会議による地域内の保育サービス情報の収集や提供方法などの検討、地域子育て支援センターにおける休日相談体制の整備、国庫補助対象とならない3人未満での小規模休日保育の実施を進めますほか、休日保育の実施に当たり、他の保育所から保育士を派遣する輪番制の導入、病気のときの保育をしている医療機関と保育所の連携による利用者が気軽に預けることができる環境づくりなどにより、地域内の保育所等が個別では対応できないサービスを補完し合うシステムの構築に取り組むこととしております。
今後は、このモデル事業によって、利用者が必要とする保育サービスを的確に提供できる体制を整備するとともに、この事業の実施状況等を十分踏まえ、その成果が県下各地域に広がっていくよう努力してまいりたいと考えております。
なお、付言させていただきますれば、私の娘3人も首都圏で共稼ぎの状況の中で、孫7人を保育所に預けて大変悪戦苦闘している実態の中で、さまざまなニーズが生じてまいる、そういった点での子育てに対しますいろいろな諸問題を、少なくとも首都圏で味わっているような苦労をこの愛媛の地では味わってほしくない、そんな思いでいっぱいでもございます。
次に、経済問題につきまして、地域資源を生かした新たな産業創出について、これまでの施策の評価と今後の
取り組みはどうかとのお尋ねでございました。
国際競争が激化する中、本県経済の自律的発展を実現し、雇用の拡大と県民所得の向上を図ってまいりますためには、企業の誘致や地場産業など既存産業の高付加価値化、高度化に加えて、本県固有のさまざまな地域資源を最大限に活用して、新事業ひいては新産業の創出に取り組むことが極めて重要であると考えております。
このため県では、テクノプラザ愛媛のビジネスサポートオフィスにおいて、アイデア段階から商品化、市場開拓にまでわたる総合的な創業支援を展開しておりますほか、新技術の開発に最高6,000万円を補助するアクティブ・ベンチャー支援事業や今後成長が期待できる分野での創業経費を助成する新規成長ビジネス創出等支援事業など、本県独自の特色ある事業に取り組んでいるところでございます。
こうした
取り組みの結果、同オフィスの支援による新規創業62件、既存企業の新分野進出110件、新たな企業間連携74件などの実績を上げておりますほか、アクティブ・ベンチャー支援事業の採択がこれまで8社を数えるなど、着実に成果が上がってきていると考えております。これら現時点では小さいつぼみではあろうかと存じますけれども、将来大きな花開くことを夢見ている次第でもございます。
今後、これらに加え、成長著しい情報通信関連分野の創業支援を強化するため、産業情報センターにIT企業のインキュベート施設を整備いたしますほか、厳しい経済状況にある南予地域における地域の資源やニーズを活用した地域密着型ビジネスの創出支援や外部からの資金導入による研究開発の加速など、新しい産業の創出を促進する
取り組みを一層強化することといたしております。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(金谷裕弘総務部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 金谷総務部長
〔金谷裕弘総務部長登壇〕
○(金谷裕弘総務部長) 渡部議員にお答えいたします。
税収確保対策につきまして、2点のお尋ねがございました。
まず第1点目、外部の人材活用の可能性を含め、今後、具体的にどのような税収確保対策を講じていくのかというお尋ねでございました。
税収確保の具体的な対策といたしましては、お話にございました自動車税納期内納付キャンペーンなどによりまして滞納の未然防止に
取り組みますとともに、実際に滞納になりましたものにつきましては、年末12月を滞納クリーンアップ月間といたしたわけでございますが、そこにおきまして県下一斉に休日の徴収を実施するなど、積極的な
取り組みを行っておるところでございますが、特に常習、悪質滞納者に対します滞納処分の強化に努めてきたところでございまして、1月末現在でございますが、差し押さえの件数につきましては昨年度の倍以上の3,000件になっておるところでございまして、今後とも一層の積極的な徴収に取り組んでまいりたいと考えております。
そうした中、平成17年度につきまして、さらに徴収対策を積極的に推進するということで、愛媛県徴収確保対策本部を設置いたしまして、そこにおきまして徴収確保対策や数値目標を設定いたしまして目標管理を行いながら徴収を強化いたしますとともに、お話にございましたような点を踏まえまして、財産調査を特に徹底をいたしまして、預金あるいは給与等換価しやすい財産を中心に差し押さえを強化いたしまして、徴収率の向上や滞納繰越額の縮減を図ることといたしております。
また、外部の人材活用につきましては、税務署職員の方などを講師として招いて実務的な研修会を開催するなど徴収に関します専門性を高めておりますほか、お話にございました地方税の整理回収機構の設立に当たりましては、弁護士、国税OBなど、そういった人材を活用することも検討しておるところでございます。
それから2点目のお尋ねでございますが、自動車税の支払いをコンビニ等でできないか。また、徴収活動の効率化のため、自動車税を新車購入時や車検時に納付できるよう制度改正をできないかというお尋ねでございました。
県税のコンビニエンスストアにおきます納税につきましては、全国では、現在のところ、東京都を初め5都府県で実施をされております。17年度におきましても6府県で導入が予定をされておると聞いております。
コンビニの収納につきましては、既存の収納機関におきましては、郵便局を除きまして手数料を支払っておらないところでございますが、これについて1件当たり60円程度が必要となること、さらに、既存の電算システムの改修に多額の経費がかかるというふうな課題がございます。
しかしながら、納税者の方々の利便性が向上するということ、さらに徴収率のアップにも寄与するということも考えられますことから、今申し上げました先行実施県等の状況を調査し、ただ一方で、やはり費用対効果も勘案をしながら、導入の是非につきまして検討してまいりたいと考えております。
また、自動車税の車検時徴収につきましては、従来から全国知事会等を通じて国に要望してきておるところでございますが、国におきましては、新車購入時や車検時におきます納税者の一時的な負担が大幅に増大すること、さらに自動車税の性格あるいは国税でございます重量税との整合性といったことから、地方税法の改正は現時点では当面困難というふうにしておるところでございます。
しかしながら、車検時徴収につきましては、自動車税の徴収事務が大きく効率化するということから、今後とも他県とも連携しながら、機会あるごとに働きかけてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
○(高浜壮一郎
経済労働部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 高浜
経済労働部長
〔高浜壮一郎
経済労働部長登壇〕
○(高浜壮一郎
経済労働部長) 渡部議員にお答えします。
経済問題について、ベンチャー企業などが開発した新製品などの販路開拓についてどのように支援していくのかとのお尋ねでした。
県内製品の販売支援につきましては、これまで県産品愛用運動などを通じまして、官公需はもとより県内企業や県民に対しても積極的にその購入などを奨励をいたしますとともに、環境に配慮した製品につきましては、資源循環優良モデル認定制度やグリーン購入制度などによりまして、販売、普及を支援をいたしておりますほか、えひめ産業振興財団では、特許等を有する新商品を開発しながら販路を見出せないでいる事業者のためにモニタリング調査や商談会を開催をして、販路開拓を支援してきているところでございます。
しかしながら、お話のとおり、企業の中には、すぐれた製品やサービスを開発しましても、その知名度や信用力などの不足から、なかなか売り上げに結びつかないケースがまだまだありますことから、今後は、各企業の販路開拓につながる直接的な支援措置が必要であると考えております。
このため、平成17年度には、新たにえひめプロダクト販売促進支援事業を創設いたしまして、ベンチャー企業などが、県や関係機関の助成制度や公設試との共同研究などを利用して開発した製品やサービスを対象にいたしまして、公共団体や民間企業等の発注担当者向けの展示、説明会を開催をいたしますとともに、県が率先してこれらの製品を試験的に購入をいたしますトライアル発注制度を構築することによりまして、新製品等の販路開拓、販売促進を支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(大内忠臣土木部長) 議長
○(
横田弘之副議長) 大内土木部長
〔大内忠臣土木部長登壇〕
○(大内忠臣土木部長) 渡部議員にお答えいたします。
治水対策協働モデル事業の具体的な内容はどうか。また、今後どう取り組んでいくのかとのことでございますが、治水対策協働モデル事業は、昨年の一連の台風によりまして河川の河道に相当量の土砂が堆積し治水上の支障となっております箇所のうち、コンクリート骨材などに利用できるような良質な土砂が多く含まれます区域につきましては、採取を希望する事業者を公募いたしまして民間により土砂掘削を行っていただきます。また、応募のなかった区域や利用できない土砂の堆積箇所につきましては、河川管理者であります県みずからが掘削することによりまして、民間と県とが協働して河川の流下能力の向上を図ろうとするものでございます。
既に新居浜市の国領川におきましては、土砂の堆積量が多いことから昨年12月から公募を開始し、現在では
民間事業者も決定いたしまして掘削作業の準備をしているところでございます。来年度からは、3カ年で西条市の中山川、大明神川、四国中央市の関川を合わせました4河川を対象にしまして、この事業を行うことにしております。
今後とも、土砂の堆積が著しい河川区域につきましては、公共事業の積極的な導入を図りますとともに、民間活力も生かしながら河床掘削を行うことによりまして、治水安全度の早期の向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(
横田弘之副議長) 休憩いたします。
午後1時から再開いたします。
午前11時43分 休憩
――――――――――――
午後1時 再開
○(森高康行議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(竹田祥一議員) 議長
○(森高康行議長) 竹田祥一議員
〔竹田祥一議員登壇〕
○(竹田祥一議員)(拍手)自由民主党の竹田祥一でございます。
一般質問も最終日となりますと重複する内容もあるかと思います。私の質問も特段目の覚めるような内容ではないかと思いますが(笑声)、御清聴のほどを最後までよろしくお願いを申し上げます。
さて、
加戸知事におかれましては、県政改革を唱えて平成11年1月に就任されて以来、丸6年が経過し、第2期加戸県政もはや折り返し点を過ぎました。
ことし正月の新聞の世論調査では、知事の支持率は75.4%と知事の県政運営に対しては高い評価が与えられております。知事は、県政改革は任期の残り2年で完了することが一番理想的な姿と語っておられますが、第2期加戸県政をどう考えるかが知事を支持する我々にとって大きな関心事となりつつあることは言を待つまでもありません。この点に関して、知事は、今任期が満了する1年前ぐらいにはある程度の考え方、方向性を出すとされており、まずはそれまでの1年間、自然体で山積する課題の解決に向けて全力で取り組むとされております。私は、その姿勢に共鳴を覚えるものでありますが、知事自身が、物理的な年齢よりも体調とか精神状態の方が自分にとっては大きなウエートを持っているとされ、お見受けする限り、ますます意気盛んな知事の姿を拝見しておりますと、知事を支持する我々の方も後戻りすることのない県政改革の確立とともに、愛と心のネットワークの精神のもと、県民がお互いに助け合い支え合う社会、そうした誇れる愛媛の実現を目指して、自然体で臨んでいれば、おのずと次は見えてくるような気もいたしております。
そのような思いを抱きつつ、本議会における最後の質問をさせていただきます。
まず最初に、総務系業務の見直しについてお伺いをいたします。
昨年末に公表された県の中期財政見通しの見直しでは、公債費や社会保障関係経費増という従来からの原因、要因に加え、16年度の三位一体改革の影響が重なり、財源不足は今後も拡大するとともに、財源対策基金が枯渇に近づいている現状であることから、県財政に破綻のシグナルが点滅し始めたとの非常に厳しい考えを持たれていると伺っております。また、国、地方を通じた厳しい財政状況の中で進められている三位一体改革は、昨年の国と地方との協議において、国の財政再建を優先するかのような動きが見られるなど、その行方は不透明さを増しております。
このように先行きが不透明な中で、かつてなく厳しい財政状況に陥っていこうとする状況にあっては、地方行財政改革に対するいかなる状況にも耐え得る効率的な体制の構築が必要と考えております。このため、従来の考え方や仕事の方法を見直し、民間の視点や新たな発想を取り入れた大胆な業務改革を行うことにより、一層の効率化、省力化を図るとともに、多様化する県政の重要課題には人員を重点的に配置をして、県庁がよりすぐれた地域経営体となることが望まれるところであります。
県では、厳しい財政状況に対応するため、ゼロベースからの徹底した事業見直しを行い、不要不急の事業は廃止するなど厳しい歳出削減を実施するとともに、実効性を高めるため県有財産の計画的な売却、
定員適正化計画に基づく人員削減や公債費平準化対策など、新たな施策に取り組まれるとお聞きしておりますが、その中で、17年度当初予算案に計上されている総務系業務改革について、県はどのような見直し方針を持ち、また、どのような業務改革に取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。
次に、えひめ夢提案制度についてお伺いをいたします。
現在、小泉内閣が推進しております構造改革は、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという基本理念のもと、規制改革を筆頭に金融システムや税制、歳出など幅広い分野で取り組まれており、今や大きな流れとなって地域や中小企業など地方にもその効果が及んできております。
また、内閣府の試算によりますと、90年代以降の規制改革により価格、料金が低下した結果、電気通信や運輸、エネルギー、金融等の調査対象14分野合計で、平成14年度において約14兆3,000億円、国民1人当たりで約11万2,000円のメリットがあったとされております。周知のとおり、国においては、こういった構造改革の
取り組みをさらに加速させるため構造改革特区や地域再生制度を創設し、地域から規制緩和や地域活性化についてのアイデアや提案を募り、実現に向けた支援を行っているところであり、これまでに全国で、構造改革特区については475件、地域再生については250件の計画認定がなされ、雇用創出や特色のある福祉、教育の実施、観光や農業を初めとした産業振興等に成果を上げているところであります。
ところで、かつては急激な円高等の為替変動や国際化に対応した産業構造の転換といった外的要因が規制緩和に取り組む契機の一つとなったわけですが、現在の
取り組みは、市町村を初め企業や団体、住民からの要望や働きかけといった、いわば内的要因に基づく規制緩和であります。その実現のためには、国の規制や制度のみならず、対象範囲を県の規制や制度にまで拡大し、相互に連携した規制緩和や支援措置を講じることにより、地域の振興、活性化のための自主的な
取り組みを多面的に支援していく必要があると思います。
また、あくまでも先ほどの内閣府の試算をもとにした仮定の話ではありますが、県独自の規制緩和等によって、仮に県民1人当たりで全国規模の規制緩和の1%程度のメリットが生じただけで県内に10数億円もの経済効果が期待ができます。このため、財政難にある県としても、歳出増加を伴わない有効な地域振興施策として積極的な
取り組みがぜひとも必要と考えておりましたが、本年4月に、愛媛県版構造改革特区としてえひめ夢提案制度を創設されるとのことで、その時宜を得た
取り組みに深く敬意を表するとともに、大きな期待を寄せております。
そこで、お伺いをいたします。
県では、えひめ夢提案制度を通じて、地域の振興、活性化をどのように進めていくのか、お聞かせください。
次に、環境問題についてお伺いをいたします。
先日、地球の健康診断とも言える「ミレニアム生態系アセスメント」の報告書案が国連から発表されたと報道されておりました。これは、我が国を初め95カ国、1,300人以上の科学者が、4年間をかけ世界で初めて海や森林、湿地や河川など地球の生態系の全体像を明らかにするとともに、50年後の生態系予測を行ったものであります。
その内容は大変ショッキングなものでございました。過去40年間に、世界の森林や草地の14%が農地への転用などにより消失したこと。マングローブの林が過去20年間で35%破壊されるとともに、サンゴ礁の25%が消失したこと。漁業や水資源の確保に重要な淡水域の生態系の破壊が著しく、湿地が半減しているほか、主要河川の半分以上が深刻な水質汚染や水不足に見舞われていること。この結果、過去100年間にわかっているだけで約100種類の鳥獣が絶滅しており、この速度は自然に起こる絶滅速度の1,000倍以上に相当すること。そして、今の傾向が続くならば、2050年までに残された草地や森林の20%が破壊されるなど、人間の生活自体が立ち行かなくなると予測するとともに、地球温暖化がこの傾向をさらに悪化させると警鐘を鳴らしております。私は、今こそ世界中の人々がシンク・グローバリー、アクト・ローカリーを基本に、地球規模で環境の問題を考え足元から
環境保全に向けた行動を起こすことが、何よりも大切であると考えるものであります。
ちょうど去る2月16日には、地球温暖化防止の当面のかなめとして切望されていた京都議定書が発効するとともに、7月に開催予定のG8、主要国首脳会議においても、議長国となるイギリスのブレア首相が地球温暖化を中心議題に据えることを表明するなど、まさにことしは地球環境の保全に向けた歴史的な新たな一歩が踏み出される年になることが期待をされます。
このような中、地方にあっても、特に人類の生存基盤に大きな影響を与えるおそれがあり、21世紀最大の環境問題と言われる地球温暖化の防止に向けて、県民挙げての
取り組みを展開していかなければならないと思うのであります。
そこで、お伺いをいたします。
県民総ぐるみの地球温暖化防止活動の展開に向けて、県民の意識啓発や活動への参加促進にどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。
次に、伊予鉄道高浜線の延伸問題についてお伺いをいたします。
松山観光港は、昭和42年に建設されて以来、年間130万人が利用する県都松山市の海の玄関として重要な役割を担ってまいりました。近年では、平成12年10月に新たなフェリーバースやターミナルビルが完成をし、また、平成16年1月には県道松山港線の高浜トンネルが開通するなど、その整備が進んでおります。折しも松山市は、本年1月1日の合併により四国で初の50万都市となり、四国のみならず瀬戸内海沿岸都市の雄都として、今後ますます発展が期待されるところであり、また平成29年には、本県での国体開催を控えております。
そのような中、本県の海の玄関としての松山観光港のさらなる利便性の向上が求められており、とりわけ軌道アクセスの改善が不可欠であると思います。対岸の広島港では、平成15年3月に新ターミナルまで路面電車の軌道が延伸をされ、港のすぐ目の前に停留場があります。観光港利用者の約5割を占める松山-広島間を行き来する人にとっては、両方の港を直接比較ができるだけに、アクセス面における松山観光港のイメージが劣って映るのではないかと心配をいたします。また、現在でも重い荷物を抱えながら高浜駅まで歩くとか高浜駅でのバスへの乗りかえを余儀なくされるなど、不便を強いられている利用者が存在していることも見聞きしております。
私は、平成15年の6月県議会におきまして、ぜひとも高浜線の延伸を実現し、観光港から市内への公共交通手段が充実されることを願って、延伸にどのように取り組んでいくのか質問をさしていただきました。その際に理事者から、コストを縮減した実現性のある事業手法が考えられないか、松山市や伊予鉄道の関係者と事務レベルで勉強会を開始し研究を始めているとの答弁があり、事業実施に向けた今後の成り行きに大きな期待を抱いております。一方、松山港港湾計画や県総合交通計画に示された海岸を埋め立てて鉄道を敷設するという案は大変な財源や時間を必要とし、ますます財政状況の厳しさが増している現況の中での具体化は、なかなか難しいものと感じてもおります。そのようなことから、勉強会の動向に注目していたところ、県におかれましては、より専門的な検討を行うため、17年度当初予算に伊予鉄道高浜線延伸調査研究費を計上されています。
そこで、お伺いをいたします。
伊予鉄道高浜線の延伸に関する2年間に及ぶ勉強会での研究状況と今後の
取り組みはどうか、お聞かせください。
次に、子供たちの豊かな情操をはぐくむ教育についてお伺いをいたします。
戦後我が国は、経済発展を通じた復興にひたすら力を注いだ結果、高度経済成長を達成をし、今日の物があふれる豊かな生活を手に入れることができました。豊かさを求めて努力を続けてきたことも決して誤りではなかったと思います。
しかしながら、経済中心の繁栄を続ける過程で、自然を大切にする気持ちや礼節を守り勤勉で誠実な日本人の心が少しずつ失われ、世の中の価値観や倫理観、そして、生命の尊厳さえも揺さぶられる社会になってきているのではないかと思うのであります。
学校教育の面におきましても、不登校やいじめの陰湿化、学級崩壊など社会を映す鏡のようにさまざまな問題が生じるようになっており、子供たちの情操教育が知らず知らずのうちに後回しにされてきたことがその背景にあるのではないか。そして、このままでは我が国はどうなっていくのか大変心配をいたします。こうしたときに、音楽や文学などのすぐれた芸術や自然の美しさに触れ、素直に感動する感性を養い、友達をいたわり助け合う心を育てることがいかに重要であるか痛感するのは私だけではないと思います。
私は先日、何年かぶりに中学校の同期会に出席をし、そこで皆と一緒に文部省唱歌「ふるさと」や童謡「浜千鳥」を歌いました。60年以上の時を経ても全員が歌詞やメロディーを克明に覚えており、歌い始めた瞬間にあのころに返った気持ちで、皆の心が一つになったと感じたのは私だけではなかったようでございました。また、松山市の合併記念での由紀さおり、安田祥子姉妹によるコンサートでもたくさんの童謡を聞き、そうして、子供たちを含めて多くの市民の方々と最後に童謡を歌ったときには、なつかしさと同時に日本語の美しさと旋律の安らかさに感動をいたしました。
うさぎ追いし かの山 こぶな釣りし かの川 夢は今もめぐりて 忘れがたきふるさと
私の子供のころには家の近くに豊かな自然があり、近所の友がきと一緒に小川や野山を駆け回り、魚や虫をとったりする中で、命のはかなさを知り思いやりの心が無意識のうちに養われたように思います。
しかしながら、現代の子供たちの周囲には、テレビゲームなどの人々の痛みのわからないバーチャルな世界がはんらんする一方で、「うさぎ追いし」と歌われた自然はだんだんと失われてきており、気軽に身近な自然の中で遊び回ることが困難になってきています。
私は、学校教育においては、基本的な学力をしっかりと身につけさせることは当然と考えておりますが、遠回りなようであっても、人格の形成を目指して豊かな情操をはぐくむ教育を地道に行っていくことがさまざまな問題の解決につながると確信をしております。中でも、失われつつある我が国の美しい風土や心などが美しい日本語でつづられ、たおやかな旋律で歌い継がれてきた唱歌や童謡を改めて見直し、学校教育に積極的に取り入れるとともに、自然の中での体験活動を充実させ、大自然の営みのすばらしさを肌でじかに感じさせながら、子供たちが素直な心で成長していけるような機会を充実させることが必要ではないでしょうか。私たち大人は、現状を憂い嘆くばかりでなく、今こそこれからの21世紀を生きる子供たちに豊かな情操をはぐくむための
取り組みを果敢に進めていく必要があると思うのであります。
そこで、教育長にお伺いをいたします。
子供たちの豊かな情操をはぐくむ教育にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
次に、南予地域の観光振興についてお伺いをいたします。
昨年4月29日から10月末日までの約半年間、本県で開催されたえひめ町並博2004は、南予地域を道後温泉、しまなみ海道に続く本県の観光ブランドとして確立するため、テレビ、新聞、雑誌等の番組、記事化を促進するパブリシティ活動を重視した広報宣伝を実施するほか、地域住民を主役に据え、パビリオンを新たにつくらないなどユニークな手法で南予地域を全国に情報発信するとともに、イベント終了後の継続性にも重きを置いた多彩な事業を展開してこられました。こうした
取り組みにより、期間中は数多くの観光客が県内外からイベントに参加していただくとともに、多数のマスメディアにも取り上げられ、国際会議の招致、全国各地からの視察も相次ぐなど、上々の評判であったと聞き及んでおります。
特に、先般、このえひめ町並博が日本イベント大賞に輝き全国的にも高い評価を受けましたことは、愛媛県民の大きな誇りであり、県御当局や町並博イベント関係者の御苦労も報われたものと推察をいたしております。
しかしながら、町並博の真の意味での成否は、当初からの大きな目標の一つでありました住民主体の観光まちづくりが、イベント閉幕後も継続、発展し、南予地域の観光ブランド化につながっていくかどうかではないかと思うのであります。南予地域におきましては、基幹となる第一次産業の低迷が続いているほか、第二次産業についても、松下寿電子工業を初め、地域の中核となる企業の撤退や縮小が相次ぐなど、経済状況、雇用情勢ともに極めて厳しい現状にあると言わざるを得ません。一方で、高速道路の延伸という経済活性化への条件整備も整いつつあります。
観光産業は、その
経済波及効果の大きさから、21世紀の基幹産業とまで言われておりますが、南予地域は、幸いにして豊かな自然や歴史、文化など数多くの観光資源を有しており、町並博の開催により注目されている今こそ、これら観光資源の一つ一つを地域みずからが掘り起こし知恵を出し手を加えるなど、南予の特性を生かした体験やグリーンツーリズムなどを中心とする観光を発展させていく必要があると思うのであります。
そこで、お伺いいたします。
昨年10月に閉幕したえひめ町並博2004の成果を踏まえて、県では、今後の南予地域の観光振興にどう取り組んでいかれるのか、お伺いしたいのであります。
ところで、私ごとではございますが、小学校時代、父は今で言う転勤族でございました。私も大洲小学校に入学、次に宇和島の明倫小学校、続いて八幡浜の松蔭小学校と転校をいたしました。当時私にとって一番つらかったのは、やっとその地方の方言を覚え、友達ができたごろに転校しなければならないことでございました。しかしながら、どの地域でも南予の人々のおおらかさ、優しさ、そして、美しい山や川や海や、また古い町並みに囲まれて遊び回った幼いときの思い出は、今も私の心に深く刻まれております。
私の心のふるさとであります南予の美しい自然と心豊かな人々に感謝を込めると同時に南予の発展に心からエールを送り、質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(森高康行議長)
加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 平成17年度予算案を初めとしての御審議をいただいております本会議の掉尾を飾って登壇されました竹田議員の質問に答弁させていただきます。
まず、えひめ夢提案制度を通じて、地域の振興、活性化をどのように進めていくのかとのお尋ねでございました。
えひめ夢提案制度は、地域の振興、活性化のための具体的な構想やプロジェクトを有する県内の市町の、あるいは
民間事業者から、障害となっております規制や既存制度の見直し等の提案を県が一元的に受け付けまして、国の規制に係るものについては国の構造改革特区や地域再生制度の活用を図り、県の規制に係るものについては県独自の改善措置を講ずることで、地域の夢の実現を支援しようとするものでございます。
御案内のとおり、地方分権の進展や、国、地方を通じた厳しい財政状況のもとで、地域が自立的で持続的な発展を遂げていきますためには、地域の持つ固有の資源や
公共施設等の既存ストックの有効活用を図りながら、独自のアイデアに基づき、主体的な
取り組みを行うことが強く求められております。
本制度は、そうした要請にこたえるものでありまして、社会、経済の実態に合わない規制や制度の見直しを県民の視点から進めることにより、県民に開かれた県政の一層の推進を図りますとともに、各地域の創意工夫に基づく
取り組みを支援することにより、愛媛の元気創造の実現をより強力に推進したいと考えております。
なお特に、合併後の市町に対しましては、地域の振興、活性化に向けた役割、機能が拡大することから、本制度の積極的な活用を働きかけたいと考えておりまして、地方局単位で出前講座を開催するとともに、求めに応じて、市町やNPO団体等が主催する勉強会にも職員を派遣し、制度の普及、PRや具体的な案件の掘り起こしに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、えひめ町並博2004の成果を踏まえて、今後の南予地域の観光振興にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。
町並博については、竹田議員お話のございましたように県内外から高い評価をいただいたところでありまして、町並博の手法である住民参画を基本にした観光まちづくり活動をさらに継続して推進することが今後の南予の観光振興に大きく寄与するものと考えております。
このため、地元の推進組織として、昨年8月、関係市町、団体からなる南予広域連携観光交流推進協議会を設立したところでありまして、今後はこの協議会が中心となって、国土交通省の観光交流空間づくりモデル事業を活用しながら、町並博で育ってきた住民グループ相互の連携の強化やイベント等の旅行商品化を促進するほか、道の駅、街の駅等を窓口とした情報提供機能の強化などに取り組むことといたしております。
県におきましても、専門家の継続派遣や住民座談会の開催を行い、南予地域の自然、歴史、文化を生かした魅力ある体験交流プログラムの創造や住民グループの
育成支援に努めるほか、平成17年度に創設する南予地域密着型ビジネス創出緊急支援事業などを活用して、住民グループの具体的な事業化への支援に努めることとしておりまして、地元協議会と連携しながら、南予地域の観光ブランド化に向け、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、竹田議員が、南予での幼少時代の思いが南予振興に対する期待につながっておりますことに敬意を表し上げますとともに、我が母校松蔭小学校にも在学いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(吉野内直光副知事) 議長
○(森高康行議長) 吉野内副知事
〔吉野内直光副知事登壇〕
○(吉野内直光副知事) 竹田議員にお答えします。
私の方からは、総務系業務改革について、どのような見直し方針のもとに取り組むのかとのお尋ねについて答弁をいたします。
竹田議員お話のとおり、長引く景気低迷や三位一体改革の影響など、県財政が一段と厳しさを増す一方、
雇用対策、少子高齢化などへの対応など、県が自立的で持続的に発展するために必要な行政需要や多様な
県民ニーズへの対応が求められておりまして、このような状況を克服していくためには、より一層の行政改革の推進が必要であると考えております。
御案内のとおり、近年のIT化の進展は著しく、民間では、情報ネットワークを利用して複数の組織に存在する間接業務を一つの組織で集中して処理することにより、管理部門の業務効率を高め生産性を向上させている事例が数多く見られるようになっております。これらのことは、一部の自治体においてもこのような方式の導入が進められているところでございます。
こうしたことから、本県におきましても、県民サービスに直結しない職員の旅費でありますとか給料や手当、こういったいわゆる内部管理業務につきましては、庁内LANを活用した事務処理方法の改革や各課に分散している総務事務の集中化など、総務系業務改革を可能なものから実施をすることといたしまして、まず平成17年度は、旅費事務の改革に取り組むことにいたしております。
今後は、このような総務系業務の見直しにより生じます効果を重点施策の推進強化に振り向け、県民サービスの充実に努めてまいりたい、このように考えております。
以上でございます。
○(夏井幹夫
企画情報部長) 議長
○(森高康行議長) 夏井
企画情報部長
〔夏井幹夫
企画情報部長登壇〕
○(夏井幹夫
企画情報部長) 竹田議員にお答えをいたします。
伊予鉄道高浜線の延伸に関する勉強会での研究状況と今後の
取り組みはどうかとのお尋ねでございます。
お話の勉強会におきましては、既存データなどによりまして、少ない経費で実現性のある事業手法がないかとの視点で研究を進めてまいりました。その結果、観光港までの既存の道路を利用した軌道延伸のほか、現在、JR北海道で研究、開発中の軌道上と道路上のどちらも走行可能な車両・デュアル・モード・ビークルと言われてございますが、この車両の活用はどうか。また、どちらの手法でありましても、事業実施の是非を判断するためには、精度の高い事業費や需要予測と、それに基づく費用対便益効果の分析など詳細な検討が必要であるなどの課題がわかってまいりました。
そのため、お話のございました伊予鉄道高浜線延伸調査研究費を当初予算に計上し、松山市、伊予鉄道と共同でこれら課題の調査を専門機関へ委託することとしたものでありまして、今後、この調査結果を踏まえ、事業の可能性も含め、関係機関と引き続き研究を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○(石川勝行
県民環境部長) 議長
○(森高康行議長) 石川
県民環境部長
〔石川勝行
県民環境部長登壇〕
○(石川勝行
県民環境部長) 竹田議員にお答えいたします。
県民総ぐるみの地球温暖化防止活動の展開に向けて、県民の意識啓発や参加促進にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。
温暖化は、全地球規模で気温や海水面の上昇と異常気象の頻発をもたらし、自然生態系や
生活環境にも重大な悪影響を与えると予測されており、温暖化の防止を図り持続可能な社会を構築するためには、
社会経済システムの変革とあわせて、私たち一人一人がライフスタイルを見直し、脱温暖化に向けた
取り組みを実践する必要があると考えております。
このため県におきましては、温室効果ガスの6%削減を目標とする地球温暖化防止指針を策定し、すべての県民が温暖化問題を十分に認識し、地球環境と調和した省資源、省エネルギー型の生活に転換を図るよう温暖化防止技術を導入した体験型環境学習センターの開設、環境フェアの開催や環境マイスターの派遣などを通じて、幅広い意識啓発や学習機会の提供に努めてきたところであります。
さらに平成17年度からは、新たに、県民参加の普及啓発拠点となる県地球温暖化防止活動推進センターへの支援、温暖化防止知識の普及、指導を行う推進員の委嘱、四国4県が連携して家庭やオフィスの省エネルギー活動を促進するキャンペーンの展開などに取り組むなど、行政と民間が一体となったきめ細かい普及啓発と支援活動を進めることとしたところでございます。
また、国におきましては、京都議定書の発効を受けて、本年5月を目途に京都議定書目標達成計画を策定する予定でありますので、県といたしましても、この方針を踏まえてさらなる対策の充実強化に努め、県民総ぐるみの温暖化防止活動を促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(野本俊二教育長) 議長
○(森高康行議長) 野本教育長
〔野本俊二教育長登壇〕
○(野本俊二教育長) 竹田議員にお答えをさしていただきます。
子供たちの豊かな情操をはぐくむ教育にどう取り組むのかというお話でございました。
私も3月1日、高校の卒業式に出席をさせていただきました。そして、この卒業式で、今もなお「蛍の光」、「仰げば尊し」の歌が歌い継がれて、高校生が心を熱くしながら全員で歌っている姿にとても感動いたしました。お話もございましたように、古くてもすぐれたいい歌が持っております時代を超えて人の心に響く、人の心に訴える力というものに改めて感心をしたところでございます。
御指摘のとおり、音楽や文学などのすぐれた芸術に親しみ、また、自然体験などを通じまして、子供たちの豊かな人間性をはぐくんでいくことは、今、学校教育といたしまして、学力と同じく極めて大切であると認識をいたしております。
このため、昨日住田議員にもお答えいたしましたように、すべての小中学校に音楽の専門家を派遣いたしまして、すぐれた生の演奏に親しんでもらったり、「赤とんぼ」などの唱歌や童謡を一緒に歌ったりいたします子どものための音楽教育支援事業や学校への芸術家等派遣事業にも力を入れておりますほか、各学校では、日ごろから、詩の朗読集会や童話などの読み聞かせ、さらには、音楽の時間に、文部省唱歌に加えまして郷土ふるさとの童歌や民謡などを取り入れました授業にも取り組んでいるところでございます。
さらに、来年度新たな
取り組みといたしまして、小学生を対象にこども文化サマースクールを開催いたしまして、芸術家などの指導をいただいて、美術、演劇、音楽、伝統文化につきまして学び深める合宿を行いますとともに、学校生活全般にわたりまして、童謡、唱歌、クラシックの小品などに親しむ機会や文化活動をできるだけ拡充するような方向で指導していきたいと考えております。
また、動物の飼育など生き物をじかに触れる体験や自然の中での体験、さらには、地域でのボランティア活動を積極的に取り入れていただきまして、体験を通じて感動する心や命の大切さを学ぶ活動にも力点を置いて取り組んでいきたいと思っております。
そして、これらの
取り組みが、必ず子供たちをめぐる少年非行やいじめ問題などの改善につながっていくものというふうに考えております。
以上でございます。
――――――――――――――――
○(森高康行議長) 以上で質疑を終局し、全議案をお手元に配付の委員会付託議案一覧表のとおり、また、請願につきましては、お手元に配付の文書表のとおり各委員会に付託いたします。
各委員会は、明10日、11日、14日及び15日の4日間に付託議案及び請願について審査の上、18日の本会議で各委員長から、その経過と結果を報告願うことにいたします。
――――――――――――――――
○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。
明10日、11日、14日及び15日は、委員会が開かれますので、本会議はありません。
12日及び13日は休日のため、16日及び17日は議案調査のため、休会いたします。
18日は、本会議を開きます。
日程は、全議案及び請願の審議であります。
本日は、これをもって散会いたします。
午後1時42分 散会...